そして、週が明け――― 補修初日。
10分という時間はあっという間に過ぎてしまう。
5時30分―――。
福島先輩が迎えに来てしまう時間……。
今回の補習に関しては彼氏の福島先輩にも伝えてある。
【補習頑張れよ!
迎えに行くから】
サッカー部の福島先輩は今日もきっと後輩たちの指導に力を入れていたはず。
コンコンッ――――。
その時、ドアを叩く音が静かな準備室に響いた。
誰が叩いたかなんて聞かれなくたって分かる。
「秋元さんを迎えに来ました」
「福島先輩」
時間どうりにお迎え。
あたしは“これで帰れる”と、期待していたが……。
「福島君ごめんね、まだ秋本さんの補習が終わりそうにないんだ……。
だから先に帰ってもらえるかな?」
ちょっと、せんせー!
何て事を言うの。
せっかく福島先輩があたしを迎えに来てくれたのに……。