「兄貴が仕事ねぇー」
「あたし“本の整理”って聞いた時思ったんです。
“絶対こっちの方が楽”」
「まあプリントやるよりは楽かも知れないよね」
「けど実際は本は重いし最悪です。
でも…ちょっとは楽しいです」
楽しいのは嘘じゃない。
実際楽しくて何故か放課後は毎日自然と足が向かう。
「秋元ー、今日の分のプリント」
「あっ、おはようございます」
平本先生が起きた。
背中にかかっている蒼衣先輩の制服をまだかけている。
早く返してあげればいいのに…
「兄貴、制服」
「あっ、わりぃ」
「別にどうって事ない。
少しは休めた?」
「お陰様で。
今日も送っていってやる」
「毎日毎日悪いから今日はいいって。
仕事沢山たまっているんだろ?」
「家でやるから大丈夫だ。
俺がこんな仕事頼んだんだから送るくらい大丈夫だろ?」