あたしは蒼衣先輩と平本先生が2人でいる事が信じられない。
「秋元…お前マジでバカだろ?」
「はっ?」
普段の平本先生と全然違う。
生徒には必ず『秋元さん』といったように『さん』を付けて呼ぶ。
それにどんな事があっても何も気にしないような涼しい顔をしている。
けど今あたしの瞳の前にいる『平本先生』は『さん』をつけて呼ばなければ、とってもめんどくさそうな顔をしている。
「秋元、こっち」
平本先生はあたしをイスに座るように促してきた。
「秋元さん座ろうか」
「はい…」
「そんな…兄貴がいつもと違うからって怯えなくていいから。
ほら立って」
蒼衣先輩に手を貸してもらいながら平本先生の向かいに座った。
あの平本先生が…
どうしてこんなに性格が違うの?
これじゃあ完璧
二重人格…