「まだ、信じられませんか?」
「………だって、全然味なんて分かんなかったぞ」
「細かくして、量も少なくしておいたからかな…?」
「夏帆…お前、天才」
目の前が突然真っ暗。
「福島…先輩?」
あたしは福島先輩に抱き締められ、頭を撫でられている。
「夏帆は料理作る天才だわ」
はいぃぃ?あたしが『料理作る天才』
そんな事あるわけない。
普段から料理をほとんどやらないあたしが天才だなんて…
「大げさですよ」
「いや、大げさじゃないって!
昔っからニンジンだけは食べられなくて…食わなかったんだけど、こんなに簡単に食べられたのは初めてだわ。
ありがとな、夏帆」
そう言って福島先輩があたしのオデコにキス…してくれた。
「顔真っ赤だし」
「だって…」
「可愛いなー」
『可愛い』だなんて…
なんか、恥ずかしい。