あたしは2つある内の1つをお箸で取って勝手に食べた。

そのウインナーを口へ入れたが……。


「普通のウインナーじゃん?」


味付けは至って普通。
それに真っ赤なウインナーで“タコさん”になっている。


「普通じゃないよー」


あたしが“普通”と言った事で梓は少々ご立腹な様子。


「この“タコさん”は藤が作ってくれたタコさんなんだからー」


成る程……。
彼氏が作ってくれた“タコさんウインナー”だったわけね。

えーっと……。
何さんだっけ?


「夏帆…… 藤の事覚えていないでしょ?」


「えっ、覚えているよ」


梓にちょっと気付かれヒヤヒヤだ。


「“如月 藤(キサラギ・フジ)”
如月 藤だからね。
ちゃーんと覚えてよね!」


了解です。
如月 藤さんですね、如月さん。
忘れないようにしよう。