「イヤだよー」


そう言って机に突っ伏した。


「まあそんな気を落とさないで。
これあげる」


茶色い紙袋が目の前に…
でもどこかで見た事あるような袋。

どこだっけ?


「開けてみれば?」


言われた通り袋から出してみた。


「これ…」


「あげる」


プイッと顔を背けてしまったけど、耳まで赤い。

相当恥ずかしかったのかな?


「この絵本、大切にします」


蒼衣先輩がプレゼントしてくれた絵本。

それは飛び出す絵本。


『彼氏に買ってもらえ』


以前、平本先生が言っていた。

蒼衣先輩はそれを覚えていてくれたんだ。


トランプが広がる飛び出す絵本。
あたしのお気に入りの本。


「蒼衣先輩、大好きです」


「………それはどうも。
さっさっと“白紙のプリント”やって」


「はーい」





―――放課後は君と2人で…