「言ってください」
「はぁー」と大きなため息を1つ。
「…………好き」
『好き』
貰えないって思っていたその言葉。
でも、
その一言が欲しかった。
「ホントに?
本当に」
「ホントにホント。
嘘じゃない。
俺は秋元さんが好きだよ」
「…………あたしも好きぃ」
通じあった気持ち。
そう思うとあたしの目には熱い物が溜まってくる。
その時、そっと蒼衣先輩が体を離した。
「泣きそうじゃん」
「だってぇ、嬉しいんです」
「俺も嬉しいよ」
そう言って笑った蒼衣先輩の顔は今まで見たことないくらいカッコいい笑顔。
あたしは蒼衣先輩の首に飛び付いた。
あたしの突然の飛び付きに動じることなく、あたしを抱き締めてくれた。
「好きだよ」
そして優しい一言をくれた。
あたしの目から大きなしずくが落ちた。