「マジでバカだ」
ほら、そうやってあたしをバカにする。
バカだってことは蒼衣先輩に言われなくたって分かっている。
「本当にバカだ。
バカでアホでしょうがない」
「そんなにバカとかアホって言わないでくださいよ…
そんなこ…」
続きが言えなかった。
目の前は真っ暗。
あたし…抱き締められている、の?
「どーして、そんなに秋元さんはバカなの?」
ギュッと一段と強く抱き締められた。
「俺だって寂しかったし、生きた心地がしなかった。
勉強にだって全然集中できなかったんだ」
「どうして?」
蒼衣先輩が勉強に集中出来ないだなんて…
何かあったの?
「俺も一緒」
何が?
何が一緒なの?
口にしてくれなきゃわからないよ。
「蒼衣先輩?」
お願い。
先輩の口から聞きたい。