「大ッキライな蒼衣先輩が…
好きなんです」
素直になったあたしの口はゆっくり閉じていった。
目の前には蒼衣先輩がいるが、
あたしの涙を拭ってくれていた手が止まった。
「好きなんです、蒼衣先輩の事が。
図書館の仕事が終わってから毎日寂しくて、泣きたかったです。
学校来てもつまらないし、なんだか生きている心地がしなくて…」
『好き』っていったら止まらなくなった。
もうこの際だから全部言っちゃえ。
「あたしには蒼衣先輩が必要なんです。
大切なんです。
あたしが好きじゃないって事は分かっています。
だから、ちゃんとフってください。
…………そうすれば諦めがつきます」
『好きじゃない』って言ってもらえれば、諦めがつく。
あたしに気持ちがあるだなんて最初っから思っていなかった。
あたしが伝えたかったから、伝えただけ。