「俺、ずっと気付いていたんだ。
夏帆が俺を好きじゃないって」


「いつから?」


「うーん…」



腕を組んで考え始めた。


そんなに考えさせるくらいあたしは福島先輩を想っていなかったのか?


「あー…
俺が思い出したのは…」


思い出したのは?


「思い出したのは…」


先輩!!

もったいぶらないで早く教えて下さいよ。


気になるじゃないですか。



「あれだっ!

夏帆が図書館の整理を始めてちょって経ってから」


やっぱりだったんだ。


梓の言った通り、あたしは図書館の整理を始めた頃から蒼衣先輩に気持ちが移り始めていたんだ。


ただバカにされるような日もあったけど…


楽しかった毎日。



「蒼衣っていいやつだろ?」


「はい…」


分かりずらいけど…


蒼衣先輩は優しい人。


近くにいたときは気付かなかったけど、離れて気付いた。