始まりは先週の金曜日。
いつものように親友の梓とグラウンドにいるあたしの彼氏を眺めていた。
「福島先輩かっこいいー」
「よかったね、夏帆。 ずっと片想いだったもんね」
「本当だよ。 まさか福島先輩から告白してくれるとは思わなかったから嬉しい」
最近は夏のような暑さは少しずつ無くなり、今は夏の暑さを少し残しながらも涼しく過ごしやすい毎日を送っていた。
けどグラウンドにいるあたしの“彼氏”は夏かと思わせるくらいの汗をかき、その汗がキラキラ輝いている。
「あっ、夏帆見てっ! 福島先輩が手を振っているよ」
3階の校舎から見ているあたしに遠くからでも気付いてくれた!
やっぱりかっこいい。
「秋元さん?」
「はい?」
あたしの福島先輩タイムに勝手に割り込んできたのは、あたしのクラスの国語担当の平本先生。