梓はあたしをちゃんと見ていてくれた。


「福島先輩だっけ…？
夏帆ちゃんの彼氏って」


「あーそうですね…」



福島先輩…
結局、返信がこない。


今も携帯はポケットの中に入れてあるが
鳴る気配が全く感じられない。


ちょっと如月さんに話してみてもいいかな？



「あたし福島先輩と別れようと思っているんです」


「どうして？」



如月さんはあたしの急な相談にも優しく聞いてくれた。


こんな場所は梓と似ているかも。



「あたし、他に好きな人がいるんです。


もちろん前は福島先輩が好きでした。
けど気付いてしまったんです…

その人が好きだって…」



離れてから気付いた。


福島先輩より蒼衣先輩があたしの中で大きくなっているって…


福島先輩とは連絡とれるけど、蒼衣先輩とは毎日一緒にいたせいかメールアドレス1つ知らない。