「梓…待っているんですか?」
「まあね…
聞いた?俺たちのこと」
だいたい如月さんが言いたいことはわかる。
ケンカしたことを聞きたいんだ。
「少し聞きました」
「やっぱり…
今日のアズどうだった?
………泣いたよね」
如月さんは梓の事は何でも分かっているみたいだ。
あたしが『泣いていた』と言う前に泣いた事を分かっているだなんて…
「ちょっと泣いたけど…もう元気です。
梓は如月さんが大好きみたいですから」
梓の泣いた姿なんて始めてみた。
涙一つ見せなかった梓が如月さんの事となれば大量に溢れ出てきた涙…
好きで好きでしょうがないんだな…
「夏帆ちゃんに迷惑かけたね…
ゴメン。
今度ホテルに遊びに来たらサービスするよ」
「ホントですか!嬉しいです」