カバンを持って廊下に出た。


「ゴメン、遅くなった」


「いいよー。早く行こっ?」



あたしの遅れを簡単に許してくれた梓はいつもはゆっくり歩くけど、
今日は少し早足で歩いている。




あたしたちの教室は3階にある。


下駄箱までは渡り廊下を通って行くようなつくりになっている。


渡り廊下を過ぎ、下駄箱が見えてきた頃…



「あっ!プリント忘れた」


梓が立ち止まった。


「何のプリント忘れたの?」


「国語…」


あたしたちが1時間目サボったからって宿題を出してきた。



プリント4枚…



クラスのほとんどの人は授業中に終わったみたいだか、
サボったあたしたちは宿題…


プリントをやらせていたから授業が進まなかったわけだ。



優しいのか意地悪なのか…


分からない。