「好きになるだなんて…」
自分のホントの気持ちに気付いてしまったら、
もう…後戻りは出来ない。
「福島先輩と別れなきゃ…」
福島先輩の事は好きだった。
サッカーをしている姿がかっこよくて、お昼休みは毎日グラウンドを見ていたのに…
最近はお昼休み中はずっと梓と教室でおしゃべり。
福島先輩を見に行かなくなったのは…
たぶん図書館の整理が始まった頃からだ。
あたしはもうこの頃からきっと…
蒼衣先輩に恋していたんだ。
「梓ー、人を好きになるって大変だねー」
寝ている梓にこんな事言ったって無意味だけど、頭を撫でながらついつい独り言。
聞こえているのか聞こえていないのか分からないけど…
「ん~」
返事をしてくれた。
絶対、聞いていないな。
「あたしこれから頑張るね」