なのに……。
「あー、今日から“補習”の変わりに手伝うとかっていう人?
じゃあ向こうから本持ってきて」
そう言って、彼は本棚を指差した。
“補習”って強調してきたし……。
それに自己紹介してよっ。
誰だか分からないじゃん!!
あたしは渋々カバンを近くに置き指示された方へ本を取りに言った。
けどその本を見て驚いてしまった。
「はっ!?
何、この“分厚い”の?」
あたしが指示されてたどり着いた場所には……。
“広辞苑” “図鑑” “図説”などとっても、とってーも厚い本が何十冊と並べられていた。
「…… これ、あたしが1人で運ぶの? 無理でしょ」
目の前の本たちをみてついつい本音がポロリ……。
けどここはとっても静かな図書館。
あたしが声に出した言葉なんかさっきの人にしっかり聞こえていた。
「それ、全部持ってきて。
さっさとしないと日が暮れるから急いでくれない?」
ちょ、ちょっと!
手伝ってはくれないの?
あたし、仮に女の子なんですけど……。