イスに座って15分くらい3人で話した。
「あとは2人で頑張ってくれ。
俺は仕事してくるわ」
ひらひらぁ~と手を振って出ていく平本先生が急に立ち止まった。
あたしはただその後ろ姿を見ていたけど、ニヤッと笑ってあたしの方に振り返った。
あたしからしてみればこの気持ち悪いほどの平本先生の笑みは絶対いいことでは無いと思った。
「秋元…
明日抜き打ちで漢字テストやろうと思っているんだ…
どっかの誰かが“バカ”って言ったからな。
しっかり勉強しとけよ。
範囲は今やっている教科書のところだからな」
はぁ?漢字テストですってぇ!
それって『勉強しなさい』って言っているんだよね。
てか『バカって言ったやつ』って…
あたしの事じゃん!
最悪だ…
言わなきゃ良かった。
「ドンマイだね」
蒼衣先輩は楽しそうに笑っている。
他人事だと思って!
……………他人事か…