ずっと下を向いていたせいで首が痛い。



「2人ともごくろーさん」


あたしたちが作業している間どこかへ消えていた平本先生が突然現れた。

手には紙パックのジュースを持っている。



「蒼衣、少し休め。
……………秋元も」



あたしはおまけですか?
おまけ…


けどちょうど良かった。
正直首は痛くて痛くてしょうがなかった。



「図書館は飲食禁止だけど?」


「そう固い事言うなよ」



そうだよ。
先輩だってずっと下を向いていたから首が痛いはずだよ。

平本先生が買ってきてくれたジュースでも飲んで休憩しようよ。



「新しい本があるのにこぼしたら困るだろ?」



首が痛くて休憩したいけど、蒼衣先輩の言うことは最もだ。



あたしの頭にはこの間見た無惨な形の本たちが浮かんできた。



食べかすが挟まっているもの。
飲み物をこぼしたあとが残っているもの。

お菓子のカスやジュースのシミで読めなくなってしまったかわいそうな本たち…