「せんせー、補習なんか嫌です」
「だったら30点以上取ってください」
ただ今あたしは補習のプリント格闘中―――――。
「…… 明日、提出じゃダメ?」
「ダメです」
はぁー、めんどくさい。
ただいま、時刻は5時20分―――。
そろそろ彼氏が迎えに来てくれる時間なんだけどなー。
「せんせー」
「早く帰りたかったらさっさとプリントやってくださいね、秋元さん」
「彼氏が迎えに……」
「ダメです」
やっぱりかー。
けど福島先輩がもうそろそろ来ちゃう……。
この真っ白なプリントを今から急いでやって間に合うか?
――― 間に合うわけがない。
絶対に無理である。
あたしの空っぽの頭では、どう頑張ったって無理。
それより、どうしてあたしが補習を受けているのかと言うと……。