ぐらり、と視界が揺れて。
倒れる…と思った時。

「うわ、危ないなあ」

聞き覚えのある声とともに、誰かに支えられる。
振り返ってみると、そこには見知った人物がいた。
「風見さん…」
「由梨ちゃん。奇遇だねえ。買い物の帰り?一緒にかえろーよ」

クラスメイト達を蚊帳の外にして話し出すこの人に、私は少し安心感を覚えた。

いつのまにか四人の女子はいなくなっていて、私は同居人のこの人と二人で歩いていた。
「あの子達?由梨ちゃんに迷惑かけまくってるのは」
「そう、ですね」
「同級生をいじめて、何が楽しいかね」
「…」
「あれ、由梨ちゃんどうかした?」
「いえ、何でもないです」
少し、泣きそうになってしまった。