《転校生の長濱だー。》

「長濱飛鳥です。東京から来ました。」


転校初日、雨。
こんな憂鬱な日に憂鬱な天気。
ああ、なんてついてないの、って。


\え、それだけ?/


どこからか、そんな声が聞こえた。
これ以上、何を話すの?
そう思いつつ、私は先生の方を見る。
先生もびっくりしたような顔をしていた。

それに少し、イラつきを覚える。


《じゃ、じゃあ、質問!ある人いるか?》


え、このまま終わらせてくれないの?
知らない土地に知らない人。
そっとしておいてほしい、それが本音。


『はい!はい!はい!』


元気よく手を挙げる一人の男の子。
整った顔で身長が高い、ザ・モテる男って感じ。