「そう……やっぱりね。」


「な、なんで知ってるんですか…?」


少なくとも、結翔のお母さんはいなかったから知らないはずなのに…。


「私その日の夜ね、結翔に会いに行ったの。
部屋に入った時、いつもは開いてるカーテンがしまってたからびっくりしたわ。」


「……そう、なんですか…。」


「ええ。でもね、あの子、泣いてたの。
……癌だって言われた時は泣かなかったのに…泣いてたの。
………なぜだと思う?」




結翔が、泣いてた理由……?


そんなの───


「分かりません…」


ずっと一緒にいたのに、分からない…。


やっぱり、踏み込むべきじゃなかったんだ…