「・・・すみません」 彼女の声が聞こえた。 甘く綺麗な声。 「はい」 「DVD探してて。 狂愛の(2)なんですけど・・・」 「今、確認しますね」 店のパソコンに映画名を入れる。 シャンプーのような爽やかな香りがふわりと伝わる。 「今日は 彼と一緒じゃないの」 「・・・えっ?」 思わず顔を上げた。 少し恥ずかしそうに、 でも僕と目を逸らそうとせずにそんなこと言った。