教室に向かって歩いていく。

緊張してきた...!!

歩くたびに心臓が速くなっているのを感じる。

教室に着くと花恋と一之瀬くんはすぐ入ってしまった。

待って...教室入るの緊張するよ...。

でも入らなきゃ...。

そんなことを考えながら入れないでいると「邪魔」と後ろから冷たい声が聞こえた。

「ご...ごめんなさいっ!!」

すぐどいて振り向くと焦げ茶の髪、白い肌、整ったパーツ。

いわゆる美少年が立っていた。

ぼーっと見ているとその人はふっと笑った。

ドキッ心臓がまた速くなったのは緊張のせいではないと思う。

その人は教室の中に入った。

私はそのままそこで動けなかった。

しばらくして花恋に呼ばれ中に入った。

黒板に貼ってある席順を見て自分の席を探す。

あ、あそこだ。

1番後ろの窓際の席に向かう。

机の横にかばんをかけ、椅子に座った。

隣の人はまだ椅子に座っていない。

私は椅子に書いてあった名前を読んだ。

「せとぐち...あお...い」

「なに?」

「わぁっ!!」

その人はさっきドアの前で会った男の人だった。

「すすすみませんっ」

「お前さっきから謝りすぎ。うざ」

ひぃっ...!!こ、怖い。

この人が隣なの...?う、嘘...。

何も喋れないでいるとその人は椅子に座って前を向いた。

すると先生が入ってきた。

男の先生だった。

先生は「座れー」と言って教卓の前に立った。

明るそうな先生だなと思っていると先生は話を始めた。

「えーっと4組の担任の中条将暉です!!
皆さっきーってよんで!!」

「なにそれ!!」

「先生センスないってー」
「あははは」

やっぱり明るい。

この先生で良かった...。

いい人そうだし安心したぁー...。

「今日から皆は高校生になる!!
どきどきして興奮していると思うが、
落ち着いて生活するように!!
次は入学式だから体育館に移動するぞー」

『はーい』

あ、そーだ。入学式を忘れてた。

クラスにはもうグループができていた。

並び始めていたから私も列に行く。