___きゃああああああああああっ!



そんな声が教室のドアあたりから聞こえてきた。


「今日も凄いねー。さすが学年一のモテ男」



そう陽菜(ひな)ちゃんが言ったので


「うん。凄いね。」



と、素っ気なく返す。


騒がれているアイツの名前は
橘 陽斗 ( たちばな はると ) という。私の完全なる苦手タイプ。


私はチャラい男の人がすごく苦手。


特に嫌いになった事とかはないんだけど、接しない間に苦手になっていたみたい。


「くるみ?なんで怒ってるの?」



今、私がムカついてるのは陽菜じゃない



私と話してる陽菜を取ったあの人がムカつくの!
せっかく朝早く来たんだから話したいのに...


「なんでもないもん!」


って私がほっぺたを膨らましながら言うと陽菜ちゃんは



「それ破壊力やばい」



とか意味がさっぱり分からない事を言ってくる。



最近、「破壊力」って言葉を陽菜ちゃんからよく聞くけど爆発してる所しか思い浮かばないんだよね



あぁ!私がブスすぎてやばいってことかな?



それなら納得!うぅ。もっとかわいい顔で生まれたかったよおお


陽菜ちゃんみたいに。


陽菜ちゃんはほんとにかわいいの!髪もサラサラだし、背も私より高いし、かおととのいすぎてるし、もうなにもかも私より遥か上。



いいなぁ。



「くるみ!おーい」



「へ? あぁ、ごめん」