* * *


「俺はこいつが好きだから。」


ほらまた。
私はあの子に「山田くんが好きなの?」と聞いただけなのに勝手にあの子が泣き出して私は悪者扱い。

一緒になった女の子達だって逃げていくし、私はクラスで浮くし。


そもそも別に私は山田くんになんか興味すらないのに。
ただ好奇心で聞いただけなのに。

みんなもあるよね?
そういうこと。

それなのにあの子はビービー泣き出して、『悲劇のヒロイン』演じちゃってさ。



「あーもー最悪。」


結局、いつもそうだ。
私の少しきつい目と、気の強い性格が邪魔をして私が[普通]に話しかけても、相手は決して[普通]だと受け取ってくれない。


「みんなのばーーか。」