「とりあえず、喋ったら。喉元にかぶりつくから」



いやだから物騒。フフフッと黒い笑みを浮かべる彼に、ただただ冷や汗をかいた。



『化け猫うんぬんより、大路君が放課後ココに居るって言った方が、皆目の色変えそうですね』



「やめてよ、洒落にならないから」



心底嫌そうに、ウゲェッと彼は眉に皺を寄せた。毎日休み時間ごとに女子に囲まれたら、そりゃあ大変だろうな。



「喋った所で、ココへは来れまい」



『え??』



綺麗な鈴のような声に、キョロキョロと辺りを見渡した。