【七坂八幡宮の参道】

夏の終わりを告げる 七坂八幡宮の花火大会の当日は この街が、また少し賑やかになる。
3日間続く この祭りの最終日が 花火大会だった。
境内に続く参道は 出店が 隙間なくならび、 温かみのある、はだか電球の明かりに照らされた 色とりどりの暖簾や看板を見ているだけで ワクワク楽しい気持ちになった。

「なんで、紅美は そんな格好な訳??」

浴衣姿の⭕️⭕️が ちょっと不満そうに呟いた。

「だって、お母さんが 今年は忙しいから着付けてあげられんからねって言うし、去年の浴衣は ちょっと小さくなってて、、新しいの買ってないし、、」
「そんなんじゃ、花火大会の時、、声かけてもられんよ」
「いらんもん、そんなん」

宵闇がせまる中 ふたりは人混みを縫うように八幡宮の境内をめざした。