こんな図体でかい男子高校生が。
それでも、きっと、こいつは笑って受け止めてくれるんだろう。



「本当は海老名くんも来たいと言っていたんです」

「へー、別にいいよ。あいつは」

「はい。今日は私がお断りしました」

「…?なんで」



用があったとかではなく、茉侑が断った?
予想外の返答に、俺は茉侑を見た。



「私が、凛くんと二人きりになりたかったので…!」



言う事もやることも直球勝負。
それでも、いつだって真っ赤な顔で恥ずかしそうで。
必死だったことに気が付いた。



「…ばぁか」



身体を起こしのばした手で、茉侑の腰に抱きついた。
縋るような、膝枕みたいな体勢になったけれど気にしない。
ギュッと強く抱きついて離さない。



「…好きだ。茉侑」



それだけじゃ、伝えきれない。
もらうばかりの想いにちゃんと応えたくて。




「…はい。私もです」



温かな声が降ってきた。