くぅ〜!
何この子!
加奈ちゃん直伝のあざとい頼み方で返してきたし!
騙されないもんね!
「波瑠ちゃん.....」
雄くんがしょんぼりした顔になる。
くそっ!私よりもこの技が似合っていらっしゃる....!
もー、我慢出来ないっ!
「雄く〜ん!許す!許す!可愛い!」
「ほんと?ありがとう、波瑠。」
そう言ってヘラっと笑う。
めっちゃ可愛い......!
「雄くん好きっ!!」
「っ!.....俺も....。」
猫系彼氏、デレたときの可愛さは失神級です....!
*雄side*
俺には可愛い彼女がいる。
それが桃井波瑠。
栗色のふわふわな肩までの髪で色白で目がパッチリしてる。
クラスでも結構モテる方に入っている....らしい。
そして、俺の今の心配事がこれ。
「ねーねー!波瑠ちゃん、今日放課後空いてる?」
...........この男、早瀬寛太( ハヤセ カンタ )
俺という彼氏がいるっていうのに波瑠に話しかけてくる。
まあ、その度に
「ごっめーん!寛太くん!今日は雄くんとデートだからぁぁー!」
そう言って頬を緩めて断るからそれもそれで可愛いんだけど.....。
「そっかー!じゃあ、また今度遊ぼうねー!」
そう言って波瑠の肩に手を置く。
.......なんで波瑠に触ってんの?
「うんっ!今度遊ぼうねー!」
.......なんで波瑠もOKしてるの?
俺はずんずんと波瑠のところに歩いていく。
「あれっ!?雄くん!?さっきの聞いてた!?」
そんな彼女の言葉を無視して俺は波瑠の首に手を回して頭に顎を乗っけて早瀬を睨む。
「残念だけど、これ俺のだから。」
「........きゃぁぁぁぁぁあああ!!!!」
「ちょっと雄くん!?」
俺は呆然としてる早瀬を一睨みして波瑠の手を握って屋上に行く。
「雄くんっ、どうしたのっ?」
「なんで波瑠は早瀬に気に入られてんの....?」
「えっ....あっ、そーいうこと!言ってくれればよかったのにー。誤解だよー、寛太くんは友達だよ!でも、私が彼女なのに嫉妬しちゃうなぁ!もう!」
.........ん?
「どーゆうこと?」