類くんは篠原くんと話し終えたらしく、教室を見回していた。

途端に、私と目が合ってしまう。

恥ずかしさと気まずさがいっぺんに込み上げてきて、私は咄嗟に目を逸らしてしまった。


「おーい、梨香?」


杏香が私の目の前でひらひらと手を振った。


「呼んでますけど?」