「え…?」
「好きでいるだけでいい。そんなの建前。
人間、誰にだって欲はあるものなの」
「欲って…」
「そのうち梨香、きっと我慢できなくなる。
佐藤くんに、自分を好きになってほしいって、思うようになるの」
「そっ、そんなことないもん。
私は本当に、類くんを見てられれば、それだけで充分なの」
私がそう言うと、エリカは大きなため息をついた。
それから「そのうち分かるよ」と言って、それ以上は何も言わなかった。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
設定されていません
読み込み中…