私たちは電車を降り、駅前のバス停に並んだ。

バス停は既にすごい列で、これは一本見逃さなきゃな、と私は一人で考えていた。

案の定、やって来たバスは満員で、それには乗れなかった。

次にバスが来たのは、その7分後。

運良く座席が二つだけ空いていたので、私たちはそこに腰を下ろす。


「良かったね、座れて」

「うん、そうだね。…小泉さんは、どこまで乗るの?」

「私は、桜木町まで。類くんは?」

「俺はその一つ手前。楠町まで」