「俺と付き合ってくれ」
って言われた。
わたしは今の状況もわかってないのに
急にそんなこと言わないでよ...と
内心思っていると
「俺の名前は春樹 優 、えっとー...萌...ちゃん、だよな?
突然で驚いてると思うけど本心だから。
返事、考えてほしい。」
そういってすぐに、何処かに走っていった。
彼のことはあまり知らないが、とても真剣な目をしていたのはわかった。
あのときわたしが怖いと感じた目ではなく、
なにか温かいものを感じる目だった。
けど、わたしは、
きっとバツゲームなんだよ。
こんなわたしに、あんなイケメンが
告白なんて、絶対におかしいよね。
そうとしか思えなかった。
返事...ってなんだろ。なんていえばいいのかな。
俺ははじめて恋をした。
今まで沢山の女と付き合ってきたが、
1度も守りてぇとか思ったことないし
正直、マジになったことはなかった。
でも、今回は、本気かもしれない。
俺は、萌ちゃんにビビられていた。
そりゃそれもそーだろう。
俺は目つきが悪い。睨んでもないのに、
睨まれたと勘違いされ、
喧嘩をしてきた。
喧嘩をしたことは、ほんとのことだから仕方ない...よな。
1人でそう考えた。すげぇ凹む、
俺はあの日から彼女のことを考えるようになった。
俺の仲間の1人の情報でクラスも名前もすぐにわかった。
「 田中 萌 ...か。かわいい名前してんじゃん。」
その言葉をほかの奴らに聞かれたくなくて
ボソッと、言った。
誰にも聞こえてないって思ってたのに、、、
りおがすごい気持ち悪いくらいに
にやにやしていた。
「な、なんだよっ、」
俺が言うと
「お前、変わったな。恋...したんだな。」
そう言う。仲間はもう帰っていて、俺とりおだけでの
長い沈黙が続いた。
さっきまで笑ってたのに、次はなんだよ。
めんどくせーなこいつ。
「そうだよ、どうすればいいかわかんねぇくらい
好きになったんだよ...」
今の思いを素直に、言った。
「優!お前らしくないよ、
好きだったら、アタックしろよ。」
りおは平気でそう言う。そんなの、できるわけない。
俺はずっと、萌ちゃんのことを、(←←勝手に萌ちゃんって呼んでる)
目で追ってたけど、
彼女は、俺のことむしろキライなタイプなんだろな、って感じた。
萌ちゃんと喋る男は、大抵、りおみたいな男で、
しっかりしてる奴らばっかりだった。
萌ちゃんはすごい、笑顔で話していた。
いつもの俺ならどうしたんだろうな。
今の俺は、萌ちゃんで頭がいっぱいで、
他の男と、喋ってるのみると、関係ねぇのに、
なんかすげぇ苦しいんだよ。