担架に乗せられていたのは愛梨。じゃあ、花恋は?

「君たちは、誰かな?この時間帯に外出を?」

「私たち、木之本中学の生徒です。事故にあった花恋と愛梨の友だちなんです」

代わって桜が言った。おそらく、手術医と思われる40代くらいの男性は、納得したように頷いた。

「そうか。2人なら心配入らないよ。あの子の手術は完璧。もうひとりの女の子は軽傷だよ」

「「「「良かった・・・・・・」」」」

「後遺症も残らないさ。良かったね。じゃあ、僕はこれで」

男性は、颯爽と去っていった。

「どこにいるのかな」

「聞いてみるしかありませんわ」

「だな」

で、聞き込みをした結果。

個人の病室にいるようで、案内してもらった。

「「「「花恋っ!」」」」

「ふえぇっ・・・・・・みんなぁっ」

涙目の花恋がベッドの上に座り込んでいた。ああ、上目遣いに・・・・・・

「あ、愛梨っ、私を庇って、怪我して・・・・・・」

あ、そうだったんだ。なるほど、愛梨らしいね。