「ねー、桜。これからどーする?」

終礼が終わって放課後になった時間。私は桜にこれからを相談。

「そうだな・・・・・・暇だし、あいつらについて探っとくか」

「あいつらって・・・・・・黒魔法?」

「もちろん」

黒魔法、全然姿を見せないな。逆に心配になるんですけど?

「じゃ、帰ろうか」

「そうだな」

スクールバッグに持ち物をすべて入れて、私は帰ることを夢菜と花音に告げて教室を出た。

陽はまだ高く、秋だけど夏の日差しみたいに暑い。

「あっつ〜」

「マジで暑い・・・・・・」

「あっ、そうだ。Ice flower」

私はこっそり呪文を唱えた。極力、魔力を抑えて。

その瞬間、私の手に冷気が宿り、小さな花を創った。うわ、魔力抑えすぎたかな・・・・・・

「すっげー。これ、氷の魔法か?」

「そう。氷花-ヒョウカ-だよ」

私の手の中にある氷でできた花は、あっつい日差しを浴びても溶けないようになっている。まあ、手のひらサイズで小さいんだけどね。

「うわ、つめてー。最っ高」

桜が氷花に触りながら涼んでいた。

私たちの通学路は、人通りが多いというわけでも、少ないというわけでもなかった。フツーの通学路。でも、ほかの生徒はまだ準備中なのでだぁれもいません。