「これ、カップルで使うとその恋は永遠に終わらないっていう意味があるんだってさ」

「永遠に……?」

「そ。……前話した事あったよな、『忘れられない恋』がどんな恋か。

終わらなければ、それって『忘れられない恋』じゃねぇ?」


にっと、口の端をあげながら笑う樹に、あたしは一瞬だけ言葉を失って……そして笑顔を返した。


「寒いし。それに終わらない恋って……ずっと堕ち続けるって事?」

「そう。忘れる暇なんかないくらいに瑞希がオレにどっぷりとハマるって事」

「やだよ。堕ち続けるなんて……なんか不幸になりそう」


照れ隠しもあるんだけど……呆れながら口を尖らせるあたしにの頭を樹が抱き寄せた。


「恋愛に限ってはそうでもないんじゃねぇ?

可愛げねぇ瑞希でもオレに堕ちとけば幸せになれると思うけど?

つぅかもう堕ちてるけどな。……素直じゃねぇだけで」


伝わってくる樹の体温に、あたしは減らず口を封印して小さく笑みをこぼした。



樹と離れてから、ずっと考えてたその意味。

忘れられない恋、の意味。



それは、きっと人それぞれだけど……


切な過ぎて。だとか

つら過ぎて。だとか

悲しすぎて。だとか……


いっぱい、本当にいっぱい色んな形があるんだと思うけど。


あたし達の場合は、きっと……


『終わらない恋』――――……



……だと、いいな。





「大体、瑞希は平気で男の部屋上がって汚したい放題汚していって……本当にどうゆうつもりだよ」

「別にいいじゃん。樹、コロコロしてる時幸せそうだからあえてそうしたんだって」

「幸せな訳あるかっ! 瑞希がいるとコロコロの減りが早いんだよっ!」

「細かい事言わないでよ。小さい男は嫌われるよ? 

あ、あたし今日泊まるから。両親、仕事でいないし、お兄ちゃんも彼女さんとこ行っちゃうって言うから。さっきお兄ちゃんにメールしといた」



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