「ちょっと書いてみてよ、全然分からない」
私も口を挟み、陸人は大げさにため息をつきながらチョークを手に取った。
「だから、ここをこっちと掛けて、そしたら-が+になるでしょ?…ほら」
「「「あっ、本当だ」」」
私達3人の声が重なる。
この様な勉強も、朝だから出来る事。
この頃は、分からない問題や教科を陸人に教えてもらう事が増えていた。
「ほらな、だから言っただろ、俺って天才だから」
「…認めるけどさ、そのドヤ顔やめてよー!」
俺だから、という顔をしながら胸を叩く陸人を、愛来が笑いながら睨みつける。
その光景を笑いながら見ながら、私は考える。
(私にも、居場所はあったんだ)
これまでは、学校に居ても居場所が無いと思っていた。
ずっと笑えなかったし、何故楽しみながら会話ができるのか分からなかった。
友達の心情が、分からなかった。
けれど、こうやって私の居場所があると思える日が来るなんて。
様々な悩みを抱え、過酷な過去を乗り越えた私達4人だからこその居場所。
それは、朝の時間に限られない。
目頭が熱くなり、私は瞬きを繰り返して涙を堪えた。
そんな私を見て、斎藤君が口元に優しい微笑みを浮かべていた。
私も口を挟み、陸人は大げさにため息をつきながらチョークを手に取った。
「だから、ここをこっちと掛けて、そしたら-が+になるでしょ?…ほら」
「「「あっ、本当だ」」」
私達3人の声が重なる。
この様な勉強も、朝だから出来る事。
この頃は、分からない問題や教科を陸人に教えてもらう事が増えていた。
「ほらな、だから言っただろ、俺って天才だから」
「…認めるけどさ、そのドヤ顔やめてよー!」
俺だから、という顔をしながら胸を叩く陸人を、愛来が笑いながら睨みつける。
その光景を笑いながら見ながら、私は考える。
(私にも、居場所はあったんだ)
これまでは、学校に居ても居場所が無いと思っていた。
ずっと笑えなかったし、何故楽しみながら会話ができるのか分からなかった。
友達の心情が、分からなかった。
けれど、こうやって私の居場所があると思える日が来るなんて。
様々な悩みを抱え、過酷な過去を乗り越えた私達4人だからこその居場所。
それは、朝の時間に限られない。
目頭が熱くなり、私は瞬きを繰り返して涙を堪えた。
そんな私を見て、斎藤君が口元に優しい微笑みを浮かべていた。