「んーっ………」


カーテンの隙間から当たる日光が、直接私の顔に当たる。


眩しくて、私―川本 美空―は目を覚ました。



「ふわあっ…」


大きな欠伸をして、時計を見る。


8:45。


今日は梅ヶ丘中学校の創立記念日なので、学校は休みだ。


まだ寝られる。


(寝よう…)


そう思い、寝返りを打った時。


ベッドに何かが置いてあることに気づいた。


(ん…?花束?)


眠くて、思考回路が止まっているようだ。


ゆっくりと昨日の記憶を手繰り寄せる。


「あ、ニゲラの花束」


確か、昨日の夜に斉藤君に花束を貰ったはず。


花言葉は、


「夢の中で会いましょう」


そう、呟く。



そこで、私は気づいた。


「美花ー!!」


一瞬で眠気が覚め、私は毛布を跳ね除けて勢いよく起き上がる。


「美花がいた!」


(斉藤君の花束のおかげで、私は美花に会えたんだ!)


とてつもない興奮と感動が、私の中に渦巻く。


そこで、私は大きな失態を犯してしまったことに気づいた。


「夢の中で…寝ちゃった」


美花と会って、沢山話したことは覚えている。


沢山笑い合った事も覚えている。