全て出来ないと、分かっているけれど。


身に染みて、理解していても。


「まだ、生きたかった!こんなに早く、死にたくなかった!」


13歳で死ぬだなんて、あまりにも早すぎる。


また、美空の隣にずっと居る日々に戻ってしまう。


美空側からは、私が傍に居ることすら分からないだろう。


気付かれないのに、気付いてもらえないのに!



「嫌っ!………美空、私まだ戻りたくない…」


美空は自分の気持ちにけじめをつけたのに。


美空は、自分の事を責めるのもやめたのに。


私が、そうやって励ましたのに。


そう言った自分が、戻るのを嫌がるなんて。


あまりにも矛盾している。


私がこちらの世界にいたところで、誰にも見えない事は私だって分かっている。


あてもなくさまよっても、邪魔になるだけという事も分かっている。


私がそう思っていると知ったら、きっと美空は悲しむ。


“私のせいだ”


と、思ってほしくはない。



だから私は、自分の気持ちに蓋をする。


“もっと生きたかった”なんて、叶わない欲望を持つ事は止める。


止めるしか、ない。


全ては、美空の為に。



美空に手紙を書けたし、面と向かって言いたい事も言えた。


寝ている家族にも会えたし、流美の成長した声も聞く事が出来た。


それだけで、もう十分。