ここに居る4人は、皆同じ様に苦しみ、そしてそれを分かち合おうとしている仲間なのだから。



そう伝えると、斎藤君は無言で震える唇を噛み締め、ゆっくりと頷いた。


「陸人…俺、今度からマジで相談するかも」


「待っててやるよ。…俺も、色々話すかも」


陸人は頷きながら口を開く。


「もちろん、待ってる」


斎藤君の涙は、まるで雨の様に止まることなく溢れていた。


それを見ていた私の胸が熱くなる。


ジーンとするこの感覚。


今まで失っていた感情が、再び元に戻りつつある事に気付いた。



そして、気付く。


「…私、笑ってる?」


さっきから何回か、笑顔になったような気がする。


しかも、意識せずに。


口角を上げて、目を細めて、歯を出して…何て事を考えずに、笑えた。


「嘘…笑ったの、私…?」


自分の事なのに信じられなくて、私は頬をぺたぺたと触る。


「ずっと、笑ってたよ。…私っ、美空がちゃんと笑ったの見たの、久しぶりだなっ…!」


既に涙が引っ込んでいたはずの愛来が、声を震わせてまた泣き始める。


「泣き過ぎだよ、愛来」


「だってぇ…嬉しくてっ…」