何故なら、今まさに私を除く3人が考えているから。



「2人なんだけど、実際は1つ…みたいな…?」


斎藤君が、それっぽく腕組みをしながら提案する。


「いやいやそこは、1つだったけど、2つに別れたって方が…いい、のかな…?」


愛来が語尾を微妙に上げた。


「そうなら、最初から2つで1つの方が良いと思うんだけど」


陸人の冷静な指摘に、2人はまたもや唸る。


「あっ!」


数秒後、愛来が手を叩いて言葉の通り飛び上がった。


「もしかしたらさ、2人で1人って言いたかったんじゃないかな!?」


けれども、男子組2人は無表情。


それに気付いた愛来は、顔を赤らめた。


「嘘、です…なんでもないから、忘れてっ!」



(やっぱり、答えは出ないんだ)


私は口を開いた。


「もう、大丈夫だよ。ありがとう」


「えっ?何が?」


愛来の驚いた様な目が私を捉える。


「…皆も分からなかったし、私も美花に聞いてなかったから…多分、答えは出ないと思うんだ」


きっと、美花に直接聞くしか方法は残っていないはず。


「だから、もう大丈夫。ありがとうね」


考えたって答えが出ないものを考えていたって意味が無い。


だからといって、死ぬ訳では無いけれど。