あれから数日が経った。


学年末テストは昨日で全て終了し、後残っている事はテスト返しのみとなった。



「よっしゃー!テスト終わったー!」


私の近くの席でこれでもかと言うほど大きく伸びをしながら、メガリが吠える。


これから帰りの学活だというのに、全く空気を読まない。


今日は6時間授業だったというのにテストが返されず、皆の興奮はしばらく冷めそうになかった。



「よし、今日から遊ぶぞ」


あからさまに胸を張り、ドンとその胸を叩きながら宣言をするのは、他でもない陸人だ。


他の人がそういう発言をすると、たちまち非難の目が向けられる。


けれど、陸人は別格だ。


今回もほとんどのテストで満点近くの点数を取っているはずだから。



首を後ろに向けると、愛来が大はしゃぎしている姿が目に入った。


「お兄ちゃんのとこ、また行かなきゃ!家のリフォーム、もうすぐで終わるから伝えないと!」


愛来は私を見ると、満面の笑みでそう言った。


愛来の兄、隼人君は、本当ならもう退院しても良いはずだ。


けれど、身体が不自由な隼人君が帰ってきた時に不便の無い様、愛来の家はユニバーサルデザインを兼ねたリフォームをしている。


病院側にも許可を貰い、隼人君は通常よりも少し長めに入院をしているのだ。