『11月2日 (日)

今日は愛来と美空と映画を観に行った!

凄く感動して、私だけ泣いてしまった。(笑)

美空に、

「美花のすすり泣きが聞こえてきて、途中からちゃんと観れなかったよ」

と言われてしまった。ごめんなさい。(笑)

明日から学校だ。頑張ろう!』


たったこれだけの、短い内容。


ほんの少し丸みを帯びていて、なおかつ綺麗にバランスがとれているこの字を、私は知っている。


「美花…」


これは紛れも無く、美花の字だ。


少しずつ記憶が蘇ってくる。



いつからか、私達は日記を付け始めた。


それも、一風変わったやり方で。


異なるノートにその日の出来事を書くのではなく、1冊のノートに2人でその日の出来事を書くのだ。


美花は左ページにその日の出来事を書き、私は右ページにその日の出来事を書く。



「これが本当の交換日記だねー!」


初めてそのやり方で日記を付け始めた日、私達はそう言い合って喜んだ。


ページをめくればめくるほど、忘れていた記憶のピースが元の場所へとはまっていく。


いつの間にか流れ出した涙は、頬を伝ってノートへ落ちて。


涙を拭いながら、私は1番最後に書かれたページを見つけた。