「みぃ〜おちゃぁ〜ん〜、たっだいまぁ〜!!」
「母さんまだ酔ってんの?」
「えぇ〜?酔ってないよぉ〜?」
相変わらずのナチュラルハイでしかも、朝帰りな母さん。
そんなんだから父さんに逃げられんのよ。
まあ、あたしはそんなことどうでもいいんだけど。
「あのね〜、ちょっと未央ちゃんに〜お話があんの〜。」
「うん。」
え、なになになに!?めっちゃ怖いんだけど。。。
「実は〜、新しい彼が出来たから〜、ドバイに移住しようと思うんだよね〜♪彼ドバイ人だからさ!だからこの家売るの!」
「そっかー。
……ってええええ!!じゃああたしどうすんのよ!」
「凪くん家にでもいそーろーさせてもらったら〜?
あした、引越し業者の人来てぇー、
荷物全部持って行ってもらっちゃうから、今の内にいるもん持っていきなよ〜。
じゃあ、もう一生会えないと思うから!元気でね〜!!」
バンと閉まったドア。未だにあたしは状況が理解出来てない。
まず情報を整理しよう。
……
………………
「ねぇ、あたし母さんに捨てられた?しかも家までなくなっちゃうの!?」
マジかよ。笑いが止まんねー。
生まれながらの不幸体質なあたし。父さんには3歳で家出ていかれるし、母さんは毎日ホストクラブ通い。
おかげで食費もなくなった時はよく凪のとこで一緒にご飯食べさしてもらってた。
凪の家行くしかないじゃん。あたしの荷物全部まとめないと。