こんなトラブルもありながらもう
家の前。
そういえばオムライス……だっけ
でもこの時間……いつもだったらお母さんが
作るって常連の颯太ならわかる…よね?
でも、ここあと1週間ははお父さんとお母さんはハワイに旅行でいない……
……っ!!颯太絶対知ってて!!
……えっ……家で2人っきりじゃん!!!
颯太を覗くともう隣にはいなくて
颯太は隣の自分家に自転車を置いていて……
しかも「ねーかーさんー、今日めいんちで食べるからー!」なんて玄関で叫んでるし……
それから軽い足取りで戻ってきた颯太。
部屋着に手には、携帯のみという完全に
おうちスタイル……!!
こいつ!!絶対確信犯だ!!!!
「……ねぇ、颯太」
「ん?なに?」
颯太は陽気に鼻歌を歌いながらなに?と
聞いてくる……その顔があまりにも何故か
イラッときて
ーーーバンッ
「……っ!!いってぇ!!!」
「なにすんだ、めい!!」
多分…………
……なんか私だけ2人を意識してるようで
ちょっと……イラッときたのかも…
絶対痛いって知っててわたしも
教科書の入った重たいバックで
颯太の腰辺りを殴っておいた
「もう……颯太ばか!!!」
「……っ何がだよっ!!」
もぉ……
先に料理作って1人で食べよっと!!
その後、
颯太は追いかけるようにして家に入った
俺はめいと
学校に行く時も、こうやって帰る時も
ずっとドキドキしてる。
今日だってめいんとこのおばさんおじさんが
いないから、めいの手料理食べにわざと行くんだ。
でも、めいに気づかれたらきっと
家に2人だし嫌がられるかもしれない。
いや、あいつならそこは気にしないかな。
それはそれでショックつーか……
「……なんで彼女いないの?」
え?
めいの声が小さすぎてあんま聞こえなかったけど、最後の所だけはっきり聞こえた
そ、そんなのめいがすきだから……!!
でも今言っても付き合えるわけなく……
俺、絶対意識されてないもんなぁ……
自分で言って笑いそうになるとか悲しい…
さりげなくさりげなく……って
今の気持ちに一番近いことを言った。
それに、めいの気持ちも知りたくて
めいにも質問して……っと!
そしたらめいは少し考えて私も!なんて言おうとするからさあ〜……
……って!!!おい!!
………………ギュッ………………
よろけためいの手首を掴んで俺の方に
引き寄せる。そしたら、ぼふって
めいがおれの腕の中に飛び込んできて……
もう今、抱きつき状態。
こんな近くでめいと触れて
まじでやべぇ。めいはいつもあまくて
わたあめに見たいな甘い匂いがする。
それが超、俺の嗅覚をくすぐる。
それもつかの間で、ぱっ!と離れて大丈夫?って俺の怪我の確認をするめい。
いや怪我しそうなの、お前だからって……
これだから俺はめいから目が離せなくて。
ほんと困る。
まじであれからあっという間に家。
めいといると時間感覚なくなりそうほんと。
めいがなんだか難しそうな顔するから
その間に俺は今日の為に朝から用意した
服に着替えて……
高速でめいのもとに戻った。
そしたらなんだかめいは
ムスッと口を膨らませて馬鹿なんて言うもんだから困ったもんだよ……
その上、めっちゃ重いバックで叩いてくるしな!!!!
でも、そんなめいが愛しいんだよほんとに…
あー早く
この気持ちがめいに伝わってほしい。
これからどうなろうとも……。
颯太ってば、家で2人……
って颯太は幼馴染だし、
無駄に意識することもない……よね?
ちらっと颯太を覗くとリビングで
ソファに転がりながらゲーム中。
料理してる私のことなんて気にかけず、
ゲームに夢中。
なんか悔しい……でも……
はぁ……やっぱり意識しなくて正解……
結局、2人分のオムライスを作る準備を
しちゃったし……
「……よし、作るか!」
気合を入れて!美味しいの作るぞー!
……ご飯は完成あとは卵だけっと!
……フライパンフライパン……
「…結局俺の分作ってるし、しかも俺リクエストのオムライス?」
「……っ!ちょっ……!」
……っびっくりするし……!!!
フライパンを探してる間に颯太が私の肩に
頭を乗せて話しかけてくる
こういう不意打ち心臓がビクッてなるよ…
……私、驚かされるの苦手なのかも……
「……って!!!なに食べてんの!!」
「……ん? ……味見。不味くないかの。」
「……おい!!不味いって言ったな!!」
「ん、美味しい」
「……っ!……美味しい?」
「ん。 早く卵つくれ〜……」
そういってそのままソファに引き寄せられて
ゲームにまた夢中だし……。
……不味いかどうかとか私を馬鹿にしようとした颯太がいきなり美味しいとか言うから…
美味しいって人に言われると嬉しいんだよなぁ。料理はそれが最大の魅力かも……!!
サッと卵を薄くしてご飯にかける……
「……出来た」つい声になっていた言葉に
颯太はパッとゲームを消して、こっちに来て
皿を運んだ……私の分も。
2つのお皿を2つ机に置くと
「……よし!書くぞ!!」
「え?」
何にそんなに颯太がやる気に満ち溢れてるのかとゆーと、オムライスにケチャップで
文字を書くってこと。
「…そんなに書くの好きなら私のも書く?」
「…そういうことじゃないし……」
「へ?」
「……これだからめいは……」
なんてぶつぶつ颯太は言ってるし…
「……ね、これめいのね」
「え?」
そこには、Thank you!……ありがとうって書いてあって、
颯太……。
きっと颯太は口下手だからこうやって書きたかったって考えると、なんだかすごい
嬉しい。
「……なんだよ」
「え?いや嬉しくって」
そう言って颯太にありがとー!って笑顔で言った。
「……っ!それは反則……」
「え。何が「ほらほら俺のにも書いて」
私が言おうとした言葉を塞ぐように
颯太のオムライスを私の前に置く
んーー。いざ書くってなると……
どうしようかなぁ……
そういえばそろそろ……先輩が引退して、
颯太が初キャプテンでの試合があるんだっけ
…………勝てますように……
私はケチャップをギュッと握って、
オムライスに「 必勝」という文字を書いた。
「……絶対勝ってね?ってこと!」
そう微笑むと颯太はまた耳まで赤くして
「……おう!ぜってぇ勝つ!」
「よぉし!!たべるよ!!」
『いっただきまーす!!』
2人で手を合わせていただきますをした。
「めっちゃ美味しい」
「でしょ?私が作ったからね!!」
「え?なに材料が上手いんじゃ……」
「なら、食べんでよろしい」
「うそうそ。あー美味しい」
「……へへっ」
なんて二人で冗談いいながらペロッと
食べてしまった
「ごちそうさまー」
「はーい、んー美味しかった」
食器を持っていこうと立ち上がると、
颯太がスっと私の分まで持ってっちゃうから
「ありがと」って言うと「ん」って
颯太の返事が聞こえる。
しかも、皿洗い始める。
でもこれはいつもの事。颯太はうちに来ると
大体、私が作った時は皿洗い自分からするんだよね〜……
多分、これは……
昔私が皿洗いでお皿を割って
手を怪我した時からで、その日からずっと
颯太が皿洗いをしてくれてるの
でも、私、もう皿洗い出来るのになぁ
ま、いっか〜〜
ご飯も食べ終わって次は私が颯太に変わって
ソファでゴロゴロ。
...はぁ。今日も1日疲れたあ。
首を上にして時計を見ると、8時。
あれからもう2時間半。早い。
そろそろ風呂入ろうかなぁ。
……キュッ。水道の音が止まる。
あ、颯太洗い物終わったのかぁ
お礼、お礼言わなきゃ
「颯太、ありが「今日、こっち泊まる」
私の言葉に颯太の言葉が被さる。
ん?今日泊まる?まあ、よくあることで。
「……ん〜いいけどいつもみたいに
お父さんの部屋で寝ることになるけどいいの?」
颯太はよくうちに泊まるからうちのお父さんが出張が多いことをいいことにお父さんの部屋で寝ている。
「……いーよ……てことで風呂入るわ」
「え?荷物は?」
「持ってきたー」
「……颯太、最初からその気で?」
「風呂入るー」
こいつ絶対用意してたやつ!!!
今日は親いないから……2人きりか……
ま、でも2人きりだからって何も無いしね〜
よくあることだから……別にね?……
よし!わたしも
今日の課題終わらせないと!!
成績落ちそう……だし!!
ちょっと……
めい、可愛すぎ……。
俺は、今、昨日から用意したお泊まりセットを持って風呂場。
よく考えれば、あんな可愛いめいと
今日は2人きり。
あぁ、俺の理性がもたねぇ。
ま……そんなこともめいはどうせ気付いてないだろうし。
早く風呂入って……
めいの部屋でごろごろしよっと。
ん?そういえば最近はお泊まりつっても
家で風呂済ませて来てたっけ。
めいんちで風呂入るの高校に上がってから無いよな……
今日は、めいんちのシャンプー借りてって…
必然的にめいと俺の……
風呂上がりの匂いが同じ!?!?
ちょっと……まじかぁ…なんか
……エロい気分。
って思ってんのも俺だけで、
めいは全くだ。
はぁ……早く入ろっと
なんだか甘い匂いのするシャンプーの
匂いを巻き付けて俺は風呂を上がる。
俺の髪は元から結構明るめの茶髪。
この髪は高校入る時にも染めたって言われ、
でも……その度に……
めいが……
「私は颯太とずっと一緒にいますけど、!
小さい頃から茶髪なんです!!」
って言ってくれて流石の先生もあの、めいの
言うことだから聞いてくれたりとか
俺、めいに助けられてきてるんだなって
この髪を触る度に思う。
風呂から上がるとリビングは真っ暗。
めいはどうやら自分の部屋にいるみたいだ。
階段を上ってめいの部屋にそっと入ると
……めいは勉強していた。
「……めい風呂」
「わっ!颯太!……甘い匂いする」
「え?これ下にあったシャンプー使った」
「……へへっ。」
「…なんだよ」
にやにやして笑うめい。
「いや、ねぇ、これ今日詰め替えたばっかのいつもと違うシャンプーなの〜いい匂い…」
くんくんとおれの頭を嗅ぐめい。
いや……めっちゃ可愛いっ!!!
「……っ!てほらめい、風呂!」
「分かったよぉ〜…」
そういってめいは立ち上がって準備して
ササッと風呂に行った。
よし俺もそろそろ軽く
ドライヤーでもかけるか……
……ピコンッ……
携帯の通知音。
……俺の?
携帯を開くと今のは俺の通知じゃない。
……ってことはめいの携帯になる。
ま、勝手に見ないけどな……
ていうかここの家はほんとゲームがあちこちあって……
リビングには新型、めいの部屋には一個前の旧型、お父さんの部屋には違う機種のやつとか……
ま、俺にとっては最高な家。
ガサガサッ…ゲームを取ろうとしたら
テレビ台の上に置いてあっためいの携帯が
目に入る。
それは美咲からで
「ねぇ、めい1組の裕翔君断ったの??」
「裕翔君をか……」
「めいはモテるわね♡」
というメール内容だった。
……めいが、モテるのは今始まった事じゃなくて、昔からだったけど……
最近は部活の友達からもよくめいの話を聞く
それは……めいが学年で1番モテること。
……あのめいだからそれは無自覚で…
でも!!!告白されてるだとぉぉぉお!!
中学ん時、高一までは男子で好意があっても
めいがあまりにも気付かないから
勝手に玉砕してたっつーか……
なのに……告白する奴がいるか…
でもめいのことだし……どう取ってるか…
あぁ、そろそろ俺がめいに告白しねぇと
あのポカーンとしためいだから
よく分からずに……
誰かと付き合いそうだ……!!
あぁ、どうやって告白しよう……
めいのことだから、直接、好きだったって言わねぇと伝わんねぇよなぁ……
そんなことを考えてると
……ガチャッ……
「…颯太!髪乾かしてないの!?!?」
「風邪ひくよ!!」
そういってドライヤーを俺の手元から取って
「特別に私がかけてあげる」
とかにやにやしながら準備し始めた。
……ブォォン……
ドライヤーのうるさい音とは反対に
……優しくめいの手が俺の頭に触れる…
それだけで俺の心臓の音は早くなって……
「……めい」
呼んでもドライヤーの音にかき消されて、
めいの耳には聞こえてない。
……カチッ……
ドライヤーの音が突然止まる。
「はい!颯太は終わり!次は私〜」
「シャンプーいい匂いだったなぁ〜」
ぶつぶついいながらドライヤーを自分でかけようとするめいの手を奪って
「……俺がめいのドライヤーする」
「へ?……颯太が?え!いいの!!」
「やった!!!わーい!!久しぶりなんだあ誰かにドライヤーかけてもらうの〜!!」
ほら、やっぱこれだ。
他の女にやったらドキッてする所をいつも
めいはしれーっと返してくるんだよ…
……ブォォン……
またドライヤーのうるさい音が響く。
めいのサラサラな胸近くまである愛おしい髪を俺の手先をくぐり抜ける。
めいの髪は少し癖っ毛。
短い髪にするとすごい跳ねる。だから、
今みたいに髪を少し伸ばして癖っ毛を隠している。
それはほかの奴は知らないことで
特別感があってなんか……いい。