あたしは小さく開いているその口に薬をすべて詰め込んだ。


傷口は目を見開き、抗議しているようにも見える。


けれど無視をしてその口を抑え込んだ、


死ね。


死ね!


死ね!!


勝手に人の体にいついたこいつをあたしは許さない!


平凡なあたしの日常を奪ったこいつを、許さない!


両手で力一杯顔を押さえる。


その状態で10分ほど経過した時、不意に顔が動きを止めた。


ゆっくりと目を閉じてピクリとも動かない。


あたしは荒い呼吸を繰り返しながら、そっと手の力を緩めた。


それでも顔は動かない。