土の隙間から懸命に叫ぶその声。


あたしは盛り上がった土へと近づいて行き、素手で掘り返し始めた。


ここにおつねの顔がある。


これで、おつねはようやく眠る事ができる。


雄生と春子のお父さんが一緒になって穴を掘りはじめた。


盛り上がり、柔らかくなった土はどんどん深い穴になっていく。


あたしが穴に手を入れたその時だった。


墓場で見たあの青白い手があたしの腕を掴んだのだ。