心が痛くて苦しくて、呼吸すらできなくなっていく。


「この……場所は……あたたかい」


おつねが呟くようにそう言った。


「そうだね。ここは陽が当たる場所だから」


「私はずっと1人だった。死んでからも、ずっと1人だった」


「うん。そうだよね」


「私の頭上には沢山の人がいた。とても楽しそうな声が聞こえていた」


「それって、やっぱり……」


そう返事をしようとしたとき、突然足元が揺らいだ。


ボコボコとグラウンドの土が盛り上がりあたしはその場に尻餅をついてしまった。


「アズサ!」


沙和からナイフを奪った雄生と春子のお父さんが駆け寄って来た。


「あぁ……あぁ……あぁぁぁ!!」


その声は背中からではなく、土の中から聞こえてきていた。