あたしはがむしゃらに走り、グラウンドへと向かった。


ここにあるかどうかはわからない。


けれど、おつねの恋人が体を埋めたことに関わっているのなら、きっとおつねの望んできた場所に埋めてあげるはずだ。


あたしはグラウンドの中央まで立ち止まった。


おつねの叫び声はまだ聞こえてきている。


「おつねさん聞いて。きっと、ここにあなたの顔は埋められている。この場はね、あたしがケガをした場所でもあるの」


すべての原点はここだった。


思い出し、涙があふれて来る。


自分が感じた悲しみとおつねの感じた悲しみが重なり合って、混ざり合っている気がする。